新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop 無言の前奏曲 感想および考察

雑誌・ガンダムエースガンダムWの世界の物語の新作が始まりました。今月号にはオリジナルのメインスタッフであった隅沢氏による小説の序章が掲載されています。既にまとめや考察をされている方々もいらっしゃいます。

シャア専用ブログ@アクシズ 新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop 無言の前奏曲 10年8月号メモ
シャア専用ブログ@アクシズ 著者のガンダムWシリーズ構成隅沢氏インタビュー
刹那的虹色世界:新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop 用語集

というわけで自分も考察とか感想とか書いてみますー。

まずは小説および今号のガンダムエースソースによる日付つき年表から。宝島社『別冊宝島1645 僕たちの好きなガンダム ガンダム全TVシリーズ「戦史」解析』には全話完全日付つきのがあったのですが放映日をそのまま当て嵌めたようなのが多いので今回は除外。

A.C.195


4月7日 オペレーション・メテオ
5月19日 オペレーション・デイブレイク
5月20日トロワ&五飛、トレーズ暗殺失敗
6月9日 シベリアでのレディ・アンによるガンダム討伐作戦でヒイロ閃光に散る
(この間にヒイロが目覚めるまで1ヶ月)
9月23日 トレーズ演説&退陣
11月20日 女王リリーナ誕生、ホワイトファング宣戦布告
11月末バルジ陥落
12月4日 リリーナ退陣、トレーズ返り咲き
12月24日トレーズ戦死。EVE・WARS終結 ヴァルター戦死。MO-V戦役終結

そしてこれに今回の小説で出てきたAC195の夏・秋・AC196年春されるわけですが。
「AC195夏」の手紙OR小論文はキャシィ嬢の推測通りトレーズによるものと思われます。偽アムロとか偽シャア*1みたいに偽物だったら嫌ですが。っていうか夏っていうとレディが二重人格真っ只中じゃないですか。そんなときに別の元部下のことなんて思ってるからあんなことになっちゃうんですよー!いや、ミリアルドの助力?で人格統合した頃だったからこそ感謝してたのかもしれないですが。(訂正。理由は後述)。あと宇宙は割とレディに任せっきりだったのでちょうど宇宙に上がっていたガンダムパイロット達を具体的に挙げてはいないようです
次、「AC195秋」。9月。でもこのレポートをヒイロが読んでいるのは宇宙に上がってすぐなんですよね(17話で上がって18話でレポート発表)。ってことはレディ人格統合もこの後なわけでやっぱり夏中二重人格だったのかな。
そうすると9月新学期以降23日までの間にヒイロはデュオが捕まったコロニーに殺しに行って助けて月面基地に博士殺しに行って捕まってメリクリウスでミリアルドと戦ったりウイングゼロと戦ったりするわけですな。そこそこ忙しい。追記:ゆうまさんの指摘で同じくこの期間でカトルがウイングゼロを完成させているということを思い出しました。確かに建造早い…。



さて、今回、というか長年の最大の謎Evolve../7の話です。あらすじはこんなので引用すると

表舞台から姿を消したウイングガンダムゼロパイロット、ヒイロ・ユイに新たな任務が下された。その使命とは軌道上に極秘に建造されたコロニー型キャノンの破壊であった。コロニーに単独で潜入したヒイロは、そこで思いがけない再会を果たす。回収し修復されていたウイングガンダムゼロが隠蔽されていたのだ。再びヒイロの手によって操縦されると、その機体を沈めようと追尾するビルゴIIなど、ヒイロの前では敵ではなかった。その時、仕掛けた時限爆弾が爆発しコロニー・キャノンは瓦解し形を失くしてゆく。爆煙の中、炎を背に優雅に翼を広げ、ウィングガンダムゼロは彼方へと飛び去ってゆくのだった。

なお、これと並行してドクターJと何者(後の漫画版でリリーナとほぼ確定)かの会話が進められていました。件のコロニー・キャノンの図面がその場にあったことからほぼ同時期なのは間違いないはずです。
そして今回の新作小説ではこのドクターJとリリーナの会話はAC196年春で、その時ヒイロにコロニーキャノン破壊任務を与えているという解釈にしたようです。すると出てくる謎がいくつか。

  • AC195年12月24日にピースミリオンのエンジンを暴走させて死んだはずのドクターJがなぜ生きているのか
  • BLIND TARGETやBattleField of Pacifistより前でガンダムを捨てていないはずなのに、テロ勢力に回収されちゃった?盗まれたのか?

ひとつめは明らかに矛盾なので今後作中で明かされると思います。前例を挙げればトロワもレディもミリアルドも生きてましたしね。それぞれシチュエーションは違いましたが。
ふたつめ。EndlessWaltzでこそウイングゼロに(た・の・む・ぞ)とか「ゼロ、動けるか…?」「いいだろう、これが最後の出撃だ」とか話しかけたりそこそこ愛着持っていますが、TV本編終了まではウイングと同じ程度の感情で扱っていたのではないでしょうか?そうするとウイングを地球に捨ててきた時みたいにテキトーに捨てちゃってうっかり奪われたという可能性があります。んでBLIND TARGETのときには周到に隠した、と。でも捨てても捨てても戻ってくる恐怖のウイングゼロ。なのでEWのときには腐れ縁的な意味で愛着がわいていたのではないかと。

最後は妄想になってしまいましたが、待望のWの新作です。個人的にはG-UNITやティエル、アクエリアスなどの外伝も全肯定でやってほしいですね(手に入りにくいものは復刊したうえで)。ガンダム修復技術も最早頑張れば量産できる域に達してると思いますし。
しかしトレーズ大好きですね隅沢さん。まあ自分もEW小説版の五飛との決闘の部分で閣下に惚れたクチですし。本人死んでるのにあそこまで後世に影響与えているのはガンダムではジオンとイオリアくらいなものです。

なお小説自体の次回は再来月号のようですが、来月号にも重大発表があるようです。

*1:ダムエー漫画には結構こういう人たち出てました